目標管理は従業員の推進力向上に有用!
ただし、設定力がカギとなる!

経営は、戦略の妥当性はもちろん、戦略を適切に実行する組織であるかが非常に重要です。目標管理(MBO)は、従業員が自分の役割と責任を把握し、自分の活動と組織全体の成功の関係を理解することで、組織全体の実行力を高めることが期待されています。この記事では、MBOとは何か、目標設定や立て方における重要なポイント、導入による効果と留意点を理解して効果的に取り入れる方法を紹介します。

目標管理(MBO)とは?

MBOとは、Management By Objectivesの略で、日本語では「目標管理」と訳されることが多いです。経営陣と従業員の双方が合意した目標を明確に定義することで、組織のパフォーマンスを向上させることを目的とした戦略的経営モデルのことを指します。MBOは、経営学者であるピーター・ドラッカーによって提唱されました。この理論によれば、目標設定と行動計画について各個人が発言権を持つことで、組織活動に対する従業員のコミットメントを促し、組織全体の目標を一致、推進させることができるとされています。支配的なマネジメントではなく、目標を自己管理することによって、それぞれが「ベストを尽くそう」と思う強いきっかけになると分析されているのです。

MBO戦略・3つの重要ポイント

経営に対するMBOの便益については様々なところで語られていますが、経営戦略の実現につながる目標が設定されていないと、従業員が懸命に目標を達成しようとしても、ベクトルが違うため、期待はずれの結果に終わってしまうこともあります。時には、手段が目的になってしまうこともあるかもしれません。ですから、目標を正しく設定することは、非常に重要なポイントです。ここでは、主に目標の立て方における3つのポイントを解説します。

■ポイント①プロセス指標が理解できること
まず、経営戦略の達成につながるプロセス指標を目標に設定することが重要です。せっかく目標を設定しても、戦略の成果に直結するプロセス指標(KPI)でなければ、想定していたような成果には達しないこともあります。コツは、「こうすれば(原因)、こうなる(結果)」という因果関係を明確に把握し、作業工程を分解して論理的に理解できるかどうかです。プロセスを論理的に分解し、この指標を高めれば成果につながると、納得できる指標にすることがコツです。

■ポイント②曖昧ではない測定可能な目標
次に、目標値そのものを客観的に判断できるかどうかです。マネージャーは部下と一緒に成果につながるプロセス指標(KPI)を確認し合ったら、目標値の設定に取り掛かります。ここで重要なのが、数値化など具体的に測定できることです。評価する際に「〜を推進する」「〜に努める」といった曖昧な表現では、評価を行う際に十分な評価ができません。目標を設定するときは、その達成度を従業員とマネージャーが明確に判断できるよう、測定可能であることが重要になります。

■ポイント③具体的な行動計画
さらに、その目標を達成するための行動計画の具体性にも十分配慮してください。目標と計画はセットです。計画が抽象的であったり、目標を立てる本人が十分にイメージできていなかったりするのは、望ましいとは言えません。少なくとも、今後3カ月程度の行動を具体的にイメージできることが好ましいでしょう。MBOで重要なことは、設定された目標に対する各従業員のパフォーマンスと進捗状況をモニタリングし、支援し続けることです。そして、従業員一人ひとりの達成したこと、達成できなかったことについて、率直なフィードバックを行うことも重要になります。それによって従業員は自分の行動を把握し、修正することができるからです。継続的なモニタリングとフィードバックに加え、マネージャーと従業員が目標に対する進捗状況を話し合うミーティングを頻繁に行うことで、より多くの手応えが得られるでしょう。

大きく分けて、以上の3つがMBOにおける重要なポイントになります。目標を設定する人も、それを承認する人も、このような視点で目標をチェックすることが肝要です。


目標管理(MBO)の効果と留意点

MBOは、企業を成功に導く多くのメリットがありますが、同時に潜在的な留意点も存在するので、理解して取り入れましょう。

■MBO導入の効果
・経営戦略の推進につながる
前述の通り、適切な目標を掲げて取り組めば、経営の成果を推進することに繋がります。強い経営は、戦略の妥当性と実行の徹底度の掛け算で決まります。いかに秀逸な戦略であっても、実行力が高い組織でなければ、経営は成長しません。MBOは適切に運用されれば、経営戦略の推進に繋がります。また、MBOは経営陣と従業員のコミュニケーションを円滑にし、双方の信頼関係、チームワークを高めることに繋がります。

・従業員のモチベーション向上
MBOによって、従業員は自分に何が求められているのか、明確に理解することができます。ハーズバーグの二要因理論によると、仕事上の役割と責任を認識することは、モチベーションとコミットメントの向上が期待できるとされています。達成可能な目標を持って仕事に取り組むことは、仕事そのものへの誇りや責任感を抱くことに繋がり、意欲向上につながります。

・存在意義と会社に対するロイヤリティを高める
従業員が独自に目標を掲げることは、一人ひとりが組織にとってどういう貢献ができるか、どういう役割を担えるのかを、言語化することでもあります。このことは従業員一人ひとりが必要不可欠な存在であると感じるきっかけになり、会社に対するロイヤリティを育むことにつながります。

■MBOの留意点
・適切なプロセス承認がなければ、結果至上主義に寄ってしまう
MBOは目標やゴールに焦点を当てるため、その達成のための適切なプロセスが取れているかどうかが軽視されやすい傾向にあります。適切なプロセスとは、その組織の行動規範、ポリシーや労働倫理などに基づいているか等であり、結果至上主義にが行き過ぎると、こういうことを度外視してでも結果をだすことに組織が傾いていきます。MBOを批判するW.エドワーズ・デミングは、従業員が手段を選ばず目標を達成しようとし、その結果、品質が低下するような短絡的な行動をとるようになることの危険性を主張しています。そうならないためにも、マネージャーは適切にプロセスを承認する必要があります。適切なプロセス承認とは、たとえまだ成果が出ていなかったとしても、成果につながるための行動をとっていれば承認する、ということです。

目標管理(MBO)の落とし穴に留意しながら、メリットを最大化させよう

目標管理(MBO)では、具体的で客観的な目標設定が重要です。適切に設定するとともに、マネージャーによる適切な運用・管理がなされていないと、従業員が誤解して偏狭な見方をしてしまう可能性があります。経営陣と従業員の双方が、目標を理解し、同じ方向性を向いていることが重要です。目標の立て方に注意し、正しいMBO戦略を取り入れれば、会社全体として大きな成果をあげることが期待できるでしょう。

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