1,120枚の紙運用から解放!デジタル化で評価業務の負担軽減と職員の安心感を実現

会社名
社会福祉法人容風会 様
URL
https://care-net.biz/40/okinanomori/
業種分類
医療・福祉
従業員数
50~200名
導入目的
評価・集計の負担軽減
評価データの蓄積
人事評価制度の構築・見直し
サービス
人事評価ナビゲーター
人事制度構築コンサルティング
  • 以前の人事評価制度が時代に合わず、職種ごとの評価項目の管理が煩雑だった。
  • 評価に関連するすべての工程が手作業であり、紙ベースで評価シートの作成や集計作業に多大な時間と手間がかかっていた。
  • 紙の削減とデジタル化により、評価作業の負担が大幅に軽減され、時間効率が向上した。
  • 評価結果の集計ミスや転記ミスのリスクがなくなり、評価の正確性と信頼性が向上した。

初めに御社について教えてください。

私たちは福岡県北九州市小倉南区にある介護施設です。2006年にオープンし、地域の方々からは良い評判をいただいており、どんどん利用者が増えました。そのため、2つ目、3つ目の施設もオープンし、事業が大きく成長してきました。人事評価制度に関しては、創業当初から導入していましたが、その結果が昇給や昇格に結びついていない、そして評価項目の内容が時代に合っていないという課題があり、日本経営さんに支援を依頼しました。

その際にどのような支援を受けたのでしょうか?

先に理事長がある研修会で人事評価ナビゲーターの紹介を受け、導入を検討していたところ、話を聞いている中でコンサルティング支援も行っていることを知りました。2015年12月から2017年2月にかけて、評価制度の構築をはじめ、社内の人材育成や当時の幹部・幹部候補の育成研修を実施していただきました。

日本経営に支援を依頼した大きな目的は、職員が日頃行っていることに対して「それが正しいんだよ」と示したかったこと、そして職員にとって目指すべき方向を明確にすることでした。また、介護施設では職種が多岐にわたり、それらを自分たちで見直すのは非常に負担が大きかったため、日本経営さんと一緒に取り組めたのは非常に良かったと感じています。

運用に関してはどのような課題がありましたか?

評価シートの作成、配布、回収、データ入力、評価プロセスの管理など、人事評価に関連するすべての工程が負担となっていました。

当時、評価制度は紙で実施していて、職員にはすべて紙で配布し、回収後にExcelへ結果を手入力していました。介護職、看護職、生活相談員、リハビリ職、事務員、ケアマネージャー、ヘルパーなど、職種ごとに評価項目が異なり、管理が非常に煩雑でしたし、特に介護職では、1人あたり評価用紙が13枚にもなり、全職員分を合わせると、一度の評価で1,120枚もの紙を扱う必要がありました。

また、評価を紙に記入する時間がかかるうえ、自己評価、一次評価、二次評価の担当者へ書類を回し、さらに面談も実施するため、スケジュール管理が非常に困難でした。その後、事務員が集めた紙を手作業でExcelに転記して集計を行うため、膨大な手間と時間がかかっていました。

そこで、人事評価ナビゲーターを導入することになったのですね。数あるシステムの中から選んでいただいた理由は何でしょうか?

導入を検討する際、3社のシステムを比較しました。その中で人事評価ナビゲーターを選んだ理由は、大きく2つあります。
1つ目は、2015年にコンサルティングを受けて作り上げた評価制度と、人事評価ナビゲーターの仕組みが非常に近かったことです。そのため、システムへの移行がスムーズに進められると考えました。
2つ目は、費用面です。比較検討を行った結果、人事評価ナビゲーターは当社の規模や運用方法に適した価格設定となっており、最適な選択肢だと判断しました。

また、先ほどもお伝えしましたが、2015年頃に理事長がある研修会で人事評価ナビゲーターの紹介を受け、その時から関心を持っていました。しかし、当時はまだ社内のIT環境が整っておらず、パソコンに慣れていない職員も多かったため、紙ベースの運用が主流で、なかなか導入には踏み切れませんでした。しかし、その後、時代の変化とともに、現場の介護記録や勤怠の申請・承認、社内共有のグループウエアなどのDX化が進み、社内のインフラも整ってきたので、2023年に人事評価ナビゲーターの導入を決定しましたが、もっと早く導入すれば良かったと後悔しています。

実際に導入してみて、どのような効果がありましたか?

紙の削減・管理や集計作業が不要になり、業務負担が大幅に軽減されました。

職員が評価の記入する時間についても、以前は1人あたり30~60分かかっていましたが、現在ではその半分ほどの時間で済んでいると感じています。また、評価者は多い人で部下20名くらいと面談をするのですが、その面談記録についても手書きだったので、1人あたり30分ほどかかっていたと思いますが、それも半分以下の時間でできるようになりました。

また、評価結果の紙を収集した後に結果を入力していた事務員の手間も大きく減少しました。以前は、コメントを含むすべての結果をExcelに転記していました。私はその事務員の上司という立場で、「転記ミスがないかな」と不安ではありつつも、量が多いのでダブルチェックすることも現実的に難しく、人的ミスが起こるリスクがありましたが、その不安が一切なくなりました。また、その結果をフィードバックシートに反映させていましたが、その時間も大幅に削減できました。

この一連の流れの中で削減できた時間は非常に多く、今ではその時間を上司と部下の余裕を持った1on1ミーティング時間に割くことができており、そこが一番大きな効果だったと実感しています。

【数値で表した導入前と導入後の変化】
<配布用紙の削減>
一回の評価で全職員に配布する紙の枚数:約1,120枚 ⇒0枚
・介護職:13枚×77名分 約1,000枚 ⇒ 0枚
・その他専門職:5枚×23名分 約 120枚 ⇒ 0枚

<評価の入力時間短縮>
職員が評価を手書きする時間:30~60分 ⇒ 15分~30分
評価者が評価を手書きする時間:1人あたり30分 ⇒ 15分
(部下を多く持つ評価者20名分 600分 ⇒ 300分 )

<集計作業時間の変化>
結果を入力する事務員の作業時間:8時間×5日=約40時間 ⇒ 約 0 分
事務員がフィードバックシートに反映させる作業時間:3時間 ⇒ 2時間

<実施前の準備時間>
新入職員へのソフトの説明時間:10分(変更なし)
評価時期や従業員情報の設定・変更の作業時間:0分 ⇒ 60分

この機能があって良かったという機能はありますか?

これまで1回の評価で1,120枚もの紙を使用していましたが、それらを保管・管理する手間が不要になり、とても助かっています。また、すぐに評価結果を確認できるようになり、以前のように紙を探す手間がなくなりました。

メモ機能も非常に便利です。以前、日本経営さんの評価者向けの研修で「評価を付ける際、直近の被評価者の行動が影響を与えやすい」「評価期間全体を見て評価することが重要」と学びました。たしかに、記憶だけで評価を行うと、どうしても直近の行動が印象に残り、評価期間全体をしっかり考慮するのが難しくなります。そのため、所属長にはメモ機能の活用を呼び掛けていますが、現状では評価時期にシステムを開くだけで、メモを残す習慣がまだ十分に定着していません。それでも、日頃から記録を残すことの重要性を感じているため、評価者の皆さんに定期的に声掛けを行い、メモ機能の活用を習慣化していきたいと考えています。

人事評価制度やシステムの運用開始後、職員の皆さまからはどのような反応がありましたか?

人事評価システムを導入してから、職員からは非常にポジティブな反応をいただいています。

新入職員には必ず「法人基礎研修」を行います。そこでは、理事長から法人の理念や目指すべき方向性について説明があり、その後、私から人事評価制度について必ず説明を行うようにしています。しっかりした制度があることで、職員は「ちゃんと上司(会社)が見てくれる環境なんだ」と感じてくれますし、面談の時期が年に2回あるので、何か相談事や困ったことがあっても「面談の時に上司に相談すればいい」と安心できるようです。

また、職員にとっての最大のメリットは、評価基準が明確になり、キャリアアップの道筋が見えることです。人事評価制度とキャリアアップ制度が連携していることで、介護職のスタッフがリーダー、課長、部長といった職位にステップアップする道や、資格取得・専門職へのキャリアチェンジの可能性も広がっています。この制度により、職員は目標をより具体的に意識しやすくなり、成長を実感できるようになっています。

「人事評価ナビゲーター」についても、「画期的だ」という声が多く、手書き評価からデジタルシステムに移行したことで、評価の正確性や信頼性が向上し、スタッフの安心感が高まったと感じています。デジタル化による公平で透明性のある評価が、職員から高く評価されています。

さらに、この先進的な人事評価システムを導入していることを外部に説明すると、法人の信頼性や評価にもつながる好印象を与えます。職員自身も人事評価制度やシステムの導入を誇りに思い、「先進的な取り組みをしている法人」として自信を持ってアピールできるようになっています。

今後、どのような取り組みを進めていきたいと考えていますか?

今後は、評価者の育成に力を入れ、適切な評価が行われるようにすることが重要だと考えています。評価は職員のキャリアや待遇に直結するため、甘すぎず厳しすぎず、公平な評価ができるよう、評価者のスキル向上に努めていきたいと思います。

日本経営に対して、今後どのようなサポートや機能を期待していますか?

日本経営さんは豊富なノウハウをお持ちなので、今後は対面でのコミュニケーションの機会をいただけると嬉しいです。私たちの抱える課題は多岐にわたるため、コンサルタントの方々と直接お話しすることで、より多くの知見を得られることを期待しています。

引き続き、人事評価ナビゲーターがより良いサービスとなるよう改善を進めてまいります。貴重なお話をありがとうございました!

(取材日)2025/2/12 ※掲載内容は取材当時のものです。

その他の事例紹介

一覧を見る